サクラノコエ
「そ、そんなことかよ」

別人の話。

別人の……

「お前の病気を分かっていて、付き合っていくことを決めたんだから。こんなことぐらい想定内だって……」

「でも!」

「お前がショックを受ける気持ちはわかるよ。俺だってショックじゃないとは言わない。だけど、そっちの人格から見たら俺とお前がこうして会ってるのとか、ギュッてするのとかだって一緒だろ?」

理紗にそう言い聞かせながら、同時に自分にも言い聞かせる。

「そうだけど……」

喉の奥が締め付けられる。

苦しい……
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