サクラノコエ

「最近ちょっと体がダルいだけ。別になにもねぇよ」

「なんでもなかったら、そんな状態になるかよ！」

「なに急に熱くなってんだよ」

一人熱くなっている和樹の言葉を、俺は笑顔で流そうとした。しかし、和樹は

「さっきから、ずっと気になってたんだ。悠人、最近ちゃんと心から笑えてんの？」

と、まっすぐに俺を見て聞いてきた。

「なに言ってるんだ」と、笑い飛ばそうと思った。けれども、和樹のあまりにも真剣な言葉に、俺はどうしてだか言葉を返すことが出来なかった。