サクラノコエ
「そんなんじゃねぇけど。ただ、最近どうなのか聞いただけだろ!」

出掛けることを拒否され、ただでさえモヤモヤとしていた俺は、そんな理紗の態度に感情的になり、理紗の発した言葉の意味も考えることなく、あからさまにムッとした態度を取った。

俺も、理紗に対してそんな風に激しく感情を出したのは初めてだった。

「だって……」

初めて見せる俺のキツい表情に、理紗は泣き出しそうな顔をして言葉を詰まらせた。

再び重苦しい空気が流れる。


オイ

ナニヤッテル

キマリヲワスレルナ


頭の中で、感情のままに行動しようとする自分を止める声がする。
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