サクラノコエ


仕事が終わり、急いで着替えて待ち合わせ場所に向かうと、理紗らしき人物がドラッグストアの前に立っているのが少し離れたところから見て分かった。

理紗はとてもソワソワとしながら、不安げに俯いている。

実を言うと俺も少し不安だった。

強引に呼び出してしまったけれど、この後どうすればいいのだろう。と。

とりあえず小走りで理紗に近付き、不安な気持ちを隠し爽やか? に声を掛けてみる。

「悪かったな。急に呼び出して」

すると理紗はいきなり

「ごめんなさい!」

と、凄い勢いで俺に向かって頭を下げたので、めちゃめちゃビックリした。
< 56 / 454 >

この作品をシェア

pagetop