サクラノコエ
理紗からもらったおにぎりは、家に帰ってから食べた。

もともと家にあったと思われる透明のパックの中にちょこんとふたつ入れられた理紗のおにぎりは、はじめて握ったのか、周りに塩も振っていなく、ご飯の中に佃煮昆布を埋め込んだだけのような感じだった。

形も三角ではなく、ボールのようにまん丸で、その全体に海苔が貼り付けられている。

それは、まるで砲丸か、爆弾のようで……

「やっぱ面白ぇ」

思わず爆笑してしまった。

おにぎりを頬張りながら送った理紗へのメール。


『おにぎりありがとな。でも、今度はちゃんと塩して(笑)』


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