君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
キスの後、恥ずかしくておでこを押さえるあたしとは違い、
慣れた様子の聖は腕時計に視線を落として時間を確認する。
「本当はこのまま休みでもとって明といたいんだが……」
「社長だからね、そんな我儘言っちゃダメだよ」
「さすが俺の奥さん」
優しく目を細めて聖は玄関で靴を履き、
「普通の女なら俺を引き止めて、一緒にいたがるけどなぁ」
なんて冗談めかして言ってくる。
「いいよ、普通じゃなくても。普通だったら聖の奥さんできてないし」
「それもそうだな。明くらい強がりな女じゃないといじめがいも無いしな」
「いじめがいって!」
笑いながら聖は「それじゃ」と、片手を上げて出て行った。
ホントはあたしだって聖といたい。
特にこういう、うやむやな時は聖の気持ちを確かめたいよ。