君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
聖は何でもないかのようにあたしを見つめ返して口を開いた。
「平条カンパニーを辞めて、新たに上条不動産を設立したからかもな。
本を正せば平条カンパニーの前の上条不動産は父の設立したものだったし」
「でもちゃんと上条の血は残してるよね?」
そう、副社長を務めていた聖が辞めた後、新しい副社長として就任したのは聖の叔父さん。
だから聖のお父さんの意思を受け継ぐ人はちゃんと残っている。
叔父さんと会社側を説得したのも聖がしたことだし。
「それに聖が設立した上条不動産も、平条カンパニーと資本提携結んでるでしょ?
お互い切磋琢磨しようって話じゃないの?」
聖と初めて結ばれた夜……ベッドの中で説明してくれた。
新会社設立はいいけど、聖のお父さんが作った会社と仲悪くなるのは嫌だもん。
説明してくれたあと、聖は
「正真正銘自分の会社、っていうのを作りたかったからいい機会だった」
とも言っていたっけ。