君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
その方があたしも恐くなくていいんだけど……
「そろそろ聖、来ますよね?」
「そうですね、あと3分もすれば来ると思います」
柚野さんはあたしをしっかり抱きとめたまま腕時計を確認する。
それならば聖が来る前に離れておかなきゃ。
またヤキモチ妬いてしまうかもしれない。
あたしが離れようと腕に力を込めた時……
ガタガタガタ……
辺りの木々をうるさく騒ぎ立て、工事現場の防音カーテンを叩き付け、
ゴンドラを激しく揺する、さっきよりも強い風が吹いた。
「ヤッ……」
鳴りを潜めていていた恐怖心が、またひょっこり顔を出す。
柚野さんに飛びつくように、離れた体をまたくっつけた。