君との関係は旦那様!?【許婚新婚編】
ひとしきり頭を掻き、悩んだ男は意を決したように顔を上げて聖に指を突き立てた。
「もういい!とにかくお前はあの土地から手を引け!
そうすれば上の二人を降ろしてやる!」
男の言葉で聖がチラリとこちらへ向ける視線が痛い。
「そうか……お前は田口不動産の副社長か。名前の無い手紙もお前の仕業だな」
「そ、そうだ……でも一通は兄が送った手紙で、本当は……」
兄弟で分担してわざわざ脅迫状を二通も送ったの?
聖を動揺さすためにしては……なかなか面倒なことするな。
なんて思っていたら……
「バカ!それ以上は言うな!」
運転席から社長が大声を上げながら出てきた。