あいたい


医師は私にいくつかの質問をしてきた。

「あなたの名前は?あなたの年齢は?住まいはどこですか?体調はいかがですか?」

私はすべて答えた。ただ、「私に家はない」と言ったときにちょっとビックリされたぐらいだった。

それから、海岸からの出来事を医師に聞かされた。

私は彼を思い出すと震えが止まらなくなり、医師になんどもなんども大丈夫か尋ねた。

医師は、精神科の医師を連れてくると言い病室を後にした。

すると、黙っていた男が口を開いた。

「俺、帰るよ。」

ちょっと心配そうに言ってきた。でも私は今1人になりたくなくて男を引き止めた。

「ダメ!帰らないで…私を1人にしないで…」



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