あいたい


彼は少し戸惑った後、なにも言わずに側にいてくれて、私が震えてるときは頭を撫でて慰めてくれていた。彼のことは何にも知らないのに、何故か少し安心でき、震えが治まっていた。


それに、男性恐怖症でさっきの医師もダメだったのに、彼だけはなぜか大丈夫だった。

このことに気付いたのは私が退院した後の話。

行く宛のない私は、流れ的でもあるが、何故か彼に引き取られることになった。

心を許したわけではないが、誰か側にいてくれるという、彼が側にいてくれるという、それだけで安心感が今までとは違っていた。


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