あいたい

これから先ずっとこんな生活だと思うだけで、私は体の震えが止まらなかった。こんな生活もうイヤだ。


そんな思いを抱え、私は今日、意を決してドアを壊し逃げ出した。絶対に見つからないよう細心の注意を払いながら逃げていた。そして今、捕まるという恐怖心を抱きながらも、私はまだ路地裏にいる。

「美流ー!どこにいるんだ?美流ー!!」

なかなかそこから動けずにいると、すぐ近くを私の名前を呼びながら走ってくる男の声がした。

この声は間違いなく彼の声である。



怖い怖い怖い怖い怖い怖い!



私は震えていた。



声が遠くなったことに気づいた私はようやく安堵した。

彼は家とは真逆の方向に走っていった。

それを見計らって私は彼の家に向い走った。

財布もなにもかもを置いてきてしまったからだった。

私はせめて財布だけでもと思い走っていた。しかし、リスクは高かった。捕まったらという恐怖心も湧き上がる。だから私は走るのをやめた。

それからはふらふらと街の中を1人さまよっていた。




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