となりの窓からこんばんは。
もっと部屋の様子を探るため、私は双眼鏡を探すことにした。
自分の机の引き出しを開けて、奥に手を突っ込む。
「あ、あった!」
さぁいざ観察!
と思ったその時。
「…おい」
背後から聞こえた声。
「え?」
反射的に振り返るとーーーー
「そこのお前、醤油貸してくんねーか?」
ちょっとふわふわした黒髪に、目つきは悪いけどくっきり二重の大きな目。
スッと高い鼻に、きれいな唇。
小顔で、スラッとしてて。
朝見た、かっこ良くて変人の男の子が。
窓枠の上に、箸とお茶碗片手にしゃがんでいた。