となりの窓からこんばんは。
「…おい」
「ってかそもそも"ラー"って何……え?」
私がぶつぶつ呟いているうちに、佐々木さんは食べ終わったらしかった。
サブローを抱っこしながらこっちを見ている。
「な、なに?」
若干戸惑いつつも返事をすると、佐々木さんは言った。
「お前の名前は?」
……。
ああ!
忘れてた…っ!
私のバカバカ礼儀知らず!
人に聞く前に普通は自分が名乗るのよ日本の武士は!
「倉本有奈です!改めて初めまして!」
私は勢い良く頭を下げた。
「おう、よろしくな、
有奈!」
「うん!」
何か不思議なものが通じ合った気がした。
「あ、そーだ。お前も
和真って呼べよ、佐々木さんってなげーし」
「あ、うん」
こうして、私ととなりの佐々木さんーーー
和真は、ちょっと変わった友達になったんだ。