となりの窓からこんばんは。
「もうすぐ10時だね」
「お、ほんとだ。じゃー帰るな」
和真が立ち上がった。
―――帰っちゃうのか。
いつも思う。
なんでかな。
よくわかんないけど…寂しいな。
「か、和真は、学校行かないの?」
もう少し話したくて、
そんな言葉が口をついて出た。
「…なんで?」
和真が、数秒の沈黙のあとに聞き返す。
あ、れ?
聞いちゃいけなかったかな。
なんか和真、いつもと
ちがう?
「えーと…だって、私と同じ高校なんでしょ?」
それ聞いたとき、私嬉しかったんだ。
「一緒に、行きたいなあって…」
―――私、
何言ってるんだろう。
言ってから、結構恥ずかしいことを言ったことに気づいた。