となりの窓からこんばんは。
ジリリリリリ!
窓から朝日が差し込む部屋に、鳴り響く目覚まし時計の音。
「う~…ん」
私は、手を伸ばしてその音を止めると、ゆっくり起き上がった。
「7時だ…」
無意識に呟いて、ベッドからおりる。
ちらっと隣の家の窓を見るものの、やっぱりもう閉まっていた。
…いつ閉めてるんだろう。
やっぱり佐々木さんって謎だ。
私はゆっくり階段を下りて、リビングのドアを開けた。
「おはよー」
台所でいそいそと動くお母さんに声をかける。
「あら、おはよう~。ありちゃん今日は一回で起きたのねぇ」
うちのお母さんは、かわいい人だ。
ふわふわした雰囲気で、いつもフリフリの服を着ている。
だけど、もう38歳。
見た目は若いけど、真実を知っている娘としては少し複雑。
だって、ほら!
真っ白でフリルだらけのエプロンを着て、鼻歌を歌いながらキティちゃんのキャラ弁作ってる38歳の母親って…
ねぇ??