最後の手紙
でも、そんな自分を見せるのは
カッコ悪かったから
だから束縛みたいな
疑ってるみたいな言い方をしてた…
「ごめんっルカ、あの…」
やっとの思いで口を開いた優希に
「ちょっとまって」
冷たい口調のルカが言う
「あのさぁ」
電話の向こうの声の主が代わった
由美子だ
ルカの一番の親友
「優希くん、ルカは本当に別れたがってるから」
「俺はイヤだ」
「だからっ」
苛立った口調の由美子が続ける
「ルカは優希くんの奴隷じゃないんだからねっ」
返す言葉がなかった
そんなに束縛してたのか…
そんなに感じさせるまでに
友達と一緒に掛けてくる
別れ話の電話…
それだけの決心
戻れないと悟った優希は
力なく返事した
「わかった…ごめん」