あなた
『ユキが、付き合うって言わないと、ここから飛び降りるからな。
そして、今度は、世界一高いバンジーに挑戦するからな。
付き合うと言うまで、世界中のバンジーや、絶叫マシンに、挑戦する旅に、出るからな。
その間、俺は、ユキと会えないんだ。
それが、俺にとって、どれほどの苦しみなのか、分かってんのか!
出会った時、ユキは、俺の携帯を人質に取った。でも、今では、俺の心すべてを人質に取ってるんだ。
何が、俺を苦しませるから、付き合えないだ。
ふざけた事、言ってんじゃねえ!
さあ、どうするんだ。
付き合うって言わないと、本当に飛び降りちゃうからな。』

ユキは、泣いていたんだと思う。
震える声で、『私と付き合って下さい』と言ってくれた。

俺は、『ありがとう。ユキ、大好きだよ。』と言って、即行で電話を切って、『ごめんなさい。許して下さい。飛べません。戻して下さい。』と叫んだ。
オムツ履いて行って、正解だったんだ。

「和樹兄ちゃん。彼女が、付き合うって言わなかったら、バンジー飛んでたの?」

「飛んでたかもしれないし、逃げ出してたかもしれない。
実際に、そうなってみないと、分からないんだ。
ただ、ユキが、付き合うと言ってくれると、思っていた。
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