あなた
中2の時、田中君が、3年の不良グループのリーダーだった坂東さんに、ボコボコにやられたの、覚えてる?」

「もちろん覚えてる。
私が、あんたに話したんだ。
イジメまではいかないにしても、田中君、周りの男子によくからかわれていた。
だけど、絶対に逆らったり、怒ったりしなかった。
あの時、田中君の方から坂東さんに、立ち向かっていったんだ。
殴り倒されても殴り倒されても、立ち上がって、向かっていったんだ。
『二人の間に、何があったんだろう?』って、あんたに話したんだ。」

「あの頃、何回か、私の悪い噂が流れたの覚えてる?」

「覚えてる。」

「私が仲良くしていた佐々木君、覚えてる?」

「覚えてる。
みんな、二人が、付き合っているんじゃないかって、思ってたよね。」

「佐々木君、3年の不良グループに、何の理由もなく、やられたんだ。
私は、全部、坂東さんの仕業だと、思っている。
私が、坂東さんの告白を断ったことが、原因だと思っている。
そして、それを知った田中君が、私の為に坂東さんに、立ち向かったんだと思っている。
この後、私の周りで、坂東さんの仕業だと思われるような事は、何も起きなかった。
田中君が、私の為に『何かしてくれたんだ』と思っている。」
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