初恋 -小さな恋の物語-
たとえば・・・
授業中だって。
「秋風さん、17ページ読んで」
先生がそう言った。
すっごく運がよかったわ・・・。
「・・・すみません、教科書忘れました」
「えっっまたあ!?
3回目よ秋風さん!」
「すみません・・・」
・・・そう。
毎回毎回わたしが隠してるんだ。
実梨ちゃんの教科書を・・・。
そしてわたしは確実に古河との距離を縮めていってる。
・・・だけど古河は実梨ちゃんの話ばっかり。
「実梨の奴、なんで最近教科書あんなに忘れんだろ」
・・・わたしが隠してるからよ。
こんなこと古河に知れたら、両想いなんて夢のまた夢の夢・・・。
絶対に、ばれない!
古河にも、実梨ちゃんにも、誰にも・・・!!!