初恋 -小さな恋の物語-



たとえば・・・



授業中だって。



「秋風さん、17ページ読んで」



先生がそう言った。



すっごく運がよかったわ・・・。



「・・・すみません、教科書忘れました」



「えっっまたあ!?
3回目よ秋風さん!」



「すみません・・・」



・・・そう。



毎回毎回わたしが隠してるんだ。



実梨ちゃんの教科書を・・・。



そしてわたしは確実に古河との距離を縮めていってる。



・・・だけど古河は実梨ちゃんの話ばっかり。



「実梨の奴、なんで最近教科書あんなに忘れんだろ」



・・・わたしが隠してるからよ。



こんなこと古河に知れたら、両想いなんて夢のまた夢の夢・・・。



絶対に、ばれない!


古河にも、実梨ちゃんにも、誰にも・・・!!!



< 41 / 85 >

この作品をシェア

pagetop