幼なじみの初恋
「またおこしくださいませ」
「愁哉さん、また来ますっ」
「はい、お待ちしております」
深々頭を下げた愁哉さん。
「わわっ」
こっちまでつられて頭を下げてしまった。
「なんでお前がお辞儀なんてしてんの」
「だって愁哉さんがあんなに深く頭を。」
「いいのいいの、あいつ女の客にはいっつもあれだから」
「え?!」
あんな優しそうな人愁哉さんが女の人にいっつもあれだなんて・・・
もしや・・・
「女遊びすげーよ」
口に手を当てて、柔らかい笑みを浮かべるるきあ。
「いや笑うことじゃないでしょ?!」
「だってあんな顔してっ・・・ぶっ」
「あんな顔ってひどい!」
るきあは今何を言ってるのか分かってるのかな?
まだ笑ってるし・・・
「るきあ、いい加減に・・・ん?」
いい加減にして。
っと言おうとしたけど、
誰かに服の袖をクイクイと引っ張られた。
後ろを振り返ると、
若い男の人が立っていた。
・・・もしや、映画館の?!
仕返しにきたとか?!
「あ、あの~~どうしました??」
「お二人はカップル??」
・・・ちょ、この人いきなり何を聞くんだっ