幼なじみの初恋

「・・・っ」


静かに家に入った途端、

涙が溢れ出す。

不安が心を埋め尽くす。


「るきあ誰?ねぇ・・・」


なんであんなのを見ただけで

こんなに涙が出るんだろう。

靴の脱がないまま、

玄関にうずくまる。


「アタシのデートより・・・その子を選んだの??アタシはその子以下なの??」


小さく小さく静かに涙を流す。

嫉妬している自分に気づいた。


ピリリリリ


「・・・」


無言のまま、通話のボタンを押す。


<<かける??>>

「なっ・・・」

<<今何してた??>>


携帯電話越しに聞こえたのは

愛しい愛しい。

大好きな大好きな。

るきあだった。


<<かける??大丈夫??>>

「っ・・・」



返事が出来ない。

あんな綺麗な女の子といたくせに・・・

なんでなんで、優しくするの??


「ほっといて・・・」

<<え?!おい!!!!>>


遠くてるきあの声がした。

大好きな声なのに・・・







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