幼なじみの初恋

お互いの存在


あの後、ほとんど覚えてない。

覚えてるのは

るきあと別れてしまったこと。


「かける?かけちゃん??」


ママの声がドアの前で聞こえる。


「ごめん、学校休むね」

「どうしたの??何かあった??」

「ううん、ちょっと風邪引いちゃった」

「あら~・・・昨日大雨だったものね」

「うん・・・」

「お昼にはお粥持ってくるからね??」

「うん・・・」


別れちゃったんだ。

るきあは今どうしてる?

アタシのこと考えてる??

アタシはるきあのこと考えてるよ

なんでこんなことになったんだろう

ほんとアタシ馬鹿だ


「どうしたら・・・いいのぉ??」


ポタポタと涙が手の甲に落ちてゆく。



ピリリリリリ


「はい」


今にも消え入りそうな声で電話に出る。


<<尚だけど・・・>>

「尚くん・・・」

<<そっち行っていい??>>

「・・・うん」

<<ありがと、行くわ>>

「うん」


尚くんが来てくれる。

そう考えるだけで安心することができた。






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