恋ウタ♪

台風の目の女

気がついたときから私と夢華の中には差があった。

「夢華!また100点じゃない!」
テストはいつも100点の夢華と…

「姫歌は47点なの?」
いつもイマイチな私。

「もう、いいわ…」
お母さんは向こうに行ってしまった。

「ヴゥ~…」
私は泣いてしまった。

そんな時、慰めてくれたのはいつも、夢華だった。

「姫…泣かないで?姫だってできるよ…きっと!」

「夢…お母さんは私なんか、いらないんだよ…」
こんなこと、言いたくなかった。
自分がどんどん嫌になっていく。

「そんなことない。姫は歌上手でしょ?夢はうまくうたえないから…だから、姫は夢の自慢のお姉ちゃんだよ!姫と双子ってこと誇りに思ってるよ!」
夢は優しくそう、言ってくれた。





夢華がそう言った、一週間後にお母さん達は出て行った…










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