君を想うと~triangle love~
悔しい。
目の前には満足げに微笑む、あの男。
嫌なのに。
こんなヤツに体を触られるなんて、好きにされるなんて本当にイヤなのに。
抵抗できない自分のカラダに吐き気がする。
「…なんで??」
なんで抵抗できない??
頭はイヤなのにカラダが気持ちについていかない。
自分のふがいなさに呆れて思わず瞳に涙がにじむ。
「だから言ったろ?お前は俺のコト気になってるって。」
勝ち誇ったように桐谷慎は私の首筋をペロッと舐める。
「…んぁっ!!」
堪らず声をあげると
「嫌なヤツにキスされて感じる女がいると思う?
」
桐谷慎は掴んでいた私の手をパッと放して。
赤くなった私の手首をいとおしそうに撫でた。
「高宮。答えは自分で考えろ。」
「答えなんて…考えなくても決まってるわよ!!!!!」
私にはしゅーちゃんしかいないもの!!!!
答えなんて決まってる。
桐谷慎なんて大っっキライ!!!!!!
顔を見上げて桐谷慎をキッと睨むと。
「思い込みは自分を苦しめるぞ??」
「はっ!?」
「断言してやるよ。
お前は必ず俺のところに来る。
……必ず…な。」
そう言ってニヤリと悪魔の微笑みを残した後。
意味深な言葉を吐いて桐谷慎は給湯室を後にした。