君を想うと~triangle love~
「どうした?伊織。」




カバンの中に手を入れたまま。
固まってる私を見てしゅーちゃんは不思議そうに私の顔を覗きこむ。






「け…ケータイがない…」


「えっ!!??」





ヤバい!!
あのケータイにはプライベートだけじゃなくて、取引き先の電話番号や担当者のアドレスが入ってる。




ケータイにロックはかけてあるけど“なくした”なんて言ったら大問題だよぅ~(涙)





「伊織、今日の朝は持ってたの??」

「う、うん。多分…。」



多分朝はケータイを持ってカバンに入れた…ハズ。

お昼に一回ランチに行ってランチバックに入れ替えて……!!!???





「ヤバい…ケータイ、会社に置いてきちゃった…」


「えーっ???!!!!」







ケータイは私のランチバックの中。
ランチに行ってそのままだぁ~~(涙)






「ごめん、私取りに行ってくるね。」


隣にあったカバンを掴んでサッと立ち上がる。




「えっ、伊織!?」


「ごめん、この埋め合わせは必ずするから!!」


「えぇ~~っ!?」







絶叫するしゅーちゃんの声を聞きながら。
私は小走りで会社へと急いだ。
< 139 / 468 >

この作品をシェア

pagetop