君を想うと~triangle love~
私の目の前には床に倒れこんだ、桐谷慎の情けない姿。






な、何、コレ。






「ハァッ、ハァッ……」





こ、興奮しすぎて倒れたのかな……。







桐谷慎は相変わらず熱い吐息を出しながら、顔を真っ赤にして苦しそうに

………って!!!!





まさかこの人!!!!!!!







私は桐谷慎の顔の近くに座ってサッとオデコに手を当てると。





「あつっ!!!」





首筋やほっぺたも、焼けるように熱い。






「ちょっと!!熱ありますよ!?」




オフィスの救急箱から体温計を持ってこようと立ち上がると




グッ。





「…いい。知ってる。」





桐谷慎は熱っぽい手で私の腕を掴む。






「朝、家出るときに38度あった。
多分…上がってきただけだから。」






そう言って。
桐谷慎は苦しそうに顔を歪める。








バカだ。

この人は大バカだ。






きっとあの水着の案件を通す為だけに今日会社に来たんだ。






「今は休むワケにはいかない…。
あの水着をポシャらせるワケにはいかない。」








そう…燃えるような目で呟いて。


カッコよく夢語られてもねぇっ!!!!!!!






「バカッ!!
自分の体より大事なモンがあるわけないでしょ!?」





私は桐谷慎の頭をペシンとはたく。





「えっ…?」




「帰りますよ!!
荷物は持ちますから下まで歩いて!!」





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