君を想うと~triangle love~
「ふー。
そんな冗談が言える元気があるなら裏口までは歩けますね??」



「…あぁ。だけど肩はちょっと借りたいな。」



「はいはい。」









そう言って。
桐谷慎は私の左肩に腕をかける。






触れる体の全てが熱い。







“せーの”で立ち上がると桐谷慎は一瞬ふらつく。


グっと左手で腰を支えると





「ありがと。高宮。」








キュンっ。







桐谷慎は。
見てるこっちが切なくなるくらい柔らかな笑顔を向けた。
(ま…フェロモン男だからどの女の人もトキメくとは思うんだけど。)









桐谷慎を支えながらエレベーターを降りて守衛室に向かうと



「あ、高宮さん!!
タクシー呼んどいたから!!」



守衛のオジサンが心配そうに私に近づく。







「すいません…。ありがとうございます…。」




私の左側でぐったりした桐谷慎がオジサンにお礼を言うと。






「ありゃ!!
ずいぶん具合悪そうな男がいると思ったら…慎ちゃんだったのか!!」






目を真ん丸にして驚く守衛さんと……。


必死に笑いをこらえる私。







し、しんちゃん。

この男が慎ちゃん。







アハハハハハハ!!!!!!!
似合わなすぎて笑いが~!!!!!







ニヤニヤしながら桐谷慎を見ると。
一瞬“こんにゃろー!!”って顔はしたけど


「ヤバい…、ダメだ…。」


熱には勝てず、ぐったりしたまま諦めた。
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