君を想うと~triangle love~
「慎ちゃん、どうしたの!!」



守衛さんは心配そうに慎ちゃん……いやいや、桐谷慎の背中を叩く。





「いや…、ちょっと熱が出ちゃってね…。」







居心地わるそうに答えると







「うーん。慎ちゃんはいつも頑張りすぎだもの。
毎日帰るの午前様だろ??」






えっ!!!????





私は思わず桐谷慎の顔を見る。







「毎日毎日、そんなに根詰めてたら体もおかしくなる。
気をつけるんだよ??」



「うん…、ありがと。」











そうこうしているうちにタクシーはやってきて。
守衛さんと一緒に桐谷慎に肩を貸してタクシーの後部座席に乗り込ませた。







「…サンキュー、高宮。
また明日…。」






な~んて。
この期に及んでこんなコト言うから。





イラついた私はドカッとタクシーに乗り込んで




「代官山まで。」





と、運転手さんに告げる。






桐谷慎は驚いて目を真ん丸にしてたけど。





「あのねぇ。
病人見捨てて帰る程鬼畜じゃないの。」






可愛げなく。
弱ってる桐谷慎に向かってフンッと鼻を鳴らす。






アイツは一瞬キョトンとしてたけど。


「アハハハ!!!!」





と豪快に笑って。








「高宮、サイコー♪」






と、微笑んだ。
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