君を想うと~triangle love~



バッ。




思わずパソコンの画面を隠すように立ち上がる。





「お…おはよう。」






聞かれてませんように。
見られてませんように。






心の中で叫びながら。
ひきつった顔で笑う私はサイコーに不細工。



ズキズキする心臓とキューと痛くなる胃。





どうかしゅーちゃんが笑ってくれますように。






祈るような気持ちでしゅーちゃんを見ると。







「おはよう、高宮さん。
今日も頑張ろうね。」









ニコッと。
しゅーちゃんはいつもの笑顔でまっすぐ私を見てくれた。








よかった。
しゅーちゃんは知らないんだ。








ホッと胸を撫で下ろして席に座ると。







「おーい、朝礼始めるぞ~!!」





田中課長(50代平社員・田中さんではない。)が、広報のみんなに呼び掛ける。






「今日、桐谷部長は朝は外回り。昼から出勤だから俺が代理をするからな。」








ザワザワザワザワ。








飛び交う噂話と感じる視線。





その日。
私は居心地の悪いまま朝礼を迎え、落ち着かない雰囲気の中、黙々と仕事に打ち込むしかなかった。
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