君を想うと~triangle love~
「うまっ!!コレ全部高宮先輩が作ったんですか!?」


「えっ?!違う違う!!
私はデザートを作っただけだよ。料理は理央がほとんど作ったの。」



「「…えぇ~っ!!!!!???」」




男どもはそのセリフを聞いて声を荒げる。





「何よ。何か文句あんの? 」





不満足そうに俺たちを睨みつける一ノ瀬にだんまりを決め込む俺ら。





そりゃー驚くだろ。

目の前に並んでるのは魚介たっぷりの豪華なパエリアにベーコンとほうれん草のキッシュ。

唐揚げのチリソースがけにシーザーサラダとミートローフ…と本格的なパーティーメニューだったんだから。






「理央は料理が得意なの。
BGMも理央セレクトなんだよ。」





屈託なく笑う伊織に引きつりながら笑顔を浮かべる俺たち。






脳ある鷹は爪を隠す…っつーけど、隠しすぎだろ!!




俺は堪らない気持ちになって、紙皿に取り分けたキッシュを思わず見つめる。





「私はティラミスとチーズケーキを作っただけなの。理央はホントにすごいんだぁ♪」







“なんか…毒入ってんじゃねーの??”









そう思ったのは俺だけではないらしく。


この部屋にいる全員が恐怖におののきながら紙皿をボーゼンと見つめていた……。
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