君を想うと~triangle love~
祐吾をはじめ、俺の男友達にはカワイイと評判の伊織。



あんまり言われるとむかつくけど、彼女をカワイイと誉められて悪い気はしない。




だから…
水島も“カワイイね”って言ってくれるかな~って期待してたんだけど。








「………。」








水島はボーっと画面を見つめたまんま。
何故かフリーズしてしまった。






「水島…??」






心配になって声をかけると。
アイツはハッとしたように体を震わせて。




「あ、ごめん!!
カノジョ…カワイイね。同級生??」





いつものフワンとした笑顔を俺に向ける。






―よかった。





ちょっとホッとして水島の顔を見ると。
アイツはいつも通りの表情で俺を見ている。








「大人っぽいでしょ。
だけどカノジョは1コ下なんだ。」


「え~っ!?大人っぽいから同い年かと思ってたのに!!」





水島は伊織の風貌に驚きの声をあげる。






「あはは。外見だけはね。
本当のアイツはガキでどーしよーもないくらい甘えん坊だよ。」







あのクールぶってるのは外敵を寄せ付けない為の処世術だからな。


パッと見、キツくてクールそうに見えるアイツの素顔はただのガキンチョ。



ケータイにはクマがいっぱいだし、持ち物はやたらとキャラものばっかだし、文房具はピンクばっかだし。







本当…
一ノ瀬と対照的すぎて存在がウケる。
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