君を想うと~triangle love~
「水島。俺…お前のコト抱いたの?」
最後の望みは…
「…うん。」
水島の一言で完全に絶たれた。
どんな一夜を過ごしたのかは…
目の前に広がるコレが全てを物語る。
俺は…伊織以外の人と関係を持ってしまった。
記憶があるとかないとかじゃねぇ。
俺は伊織を裏切った。
アイツがこんなこと知ったら…絶対許してなんてくれない。
だって…
俺だって許さないから。
そんなコト伊織がしたら…多分狂う。
相手の男も伊織も殺してやりたくなると思う。
伊織…
ごめん…!!!!!!!
俺は自分の犯した罪の重さに耐えきれなくて。
膝を丸めて頭を抱え込む。
「藤堂…くん…?」
水島が心配そうに俺の顔を覗きこむ。
ごめん…
水島。
「水島、昨日のコトは忘れて。」
「…えっ!?」
「俺も忘れるから。」
「……。」
最悪だよな。
抱くだけ抱いて“忘れろ”なんて。
ひどいコト言ってるのはわかってる。
だけど…そうじゃなきゃやってらんない。
酷い言葉で俺をののしって。
頬に平手打ちでもお見舞いしてくれればいい。
そしたら…おれもスッキリする。
そう
思ってたのに。
「私…忘れない。
藤堂くんとHしたこと忘れたくない。」
「はっ?!」
水島から聞こえてきたのは耳を疑うような一言。
「藤堂くんが好きだから…忘れたくなんてない…。」
そう言って。
水島はベッドシーツをギュッと掴んで泣き始めた。