君を想うと~triangle love~
最っ悪だ。




俺は伊織の顔を見ながら瞬きすらできずにフリーズ状態。


そんな俺を見て、伊織は驚いて固まってるんだと勘違いして



「ふふっ、驚いた?
理央にアリバイ頼んで…来ちゃった。」



イタズラが成功したガキンチョみたいにクスクスと嬉しそうに笑う。







昨日までの俺だったら。

こんな可愛いサプライズをしてくれた伊織を抱きしめて、喜んで。

学校なんてサボッて伊織とずっと一緒にいたいと思ったと思う。






だけど…

この時俺の頭にあったのは




“伊織をなんとかして外に出さなきゃ”






ってズルい考えだけ。








「じゃ…じゃあ、出掛けよう!!
俺、着替えてくるから外でちょっと待ってて!!!」








とりあえず伊織を外で待たせておいて。

この間に水島には帰るように言って、あのあからさまな部屋を片づけて…!!!







頭の中でパニックをおこしながら、ちっちぇー脳ミソでこの場を切り抜けるべく策略を張り巡らせていたのに。








「えぇ~!?せっかく来たんだからお部屋見たいよ!!」








だぁ~っ!!!!!!






空気を読まずにこんな危険なコトを言いはじめる伊織。







「やっ…、散らかってるからダメ!!
片づけるから待ってて!!!!」






今、部屋に入られてたまるか!!!!!

俺は伊織の二の腕をギュッと握って。

玄関を上がろうとする伊織を必死に止めた。




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