君を想うと~triangle love~
「サイッテー!!!!!」






伊織は今までに見たこともないような顔をして。

俺のコトを睨んでいた。






その目に映るのは憎しみと怒り。






不思議とアイツにぶたれた頬は痛くは感じなくて。

裏切ってしまった罪悪感と後悔で…胸が痛いほど苦しかったコトだけは覚えてる。








「どういうコト?…なんて聞くまでもないよね。」

「……。」

「しゅーちゃんのコト信じてたのに。
信じてた私がバカだった!!!」








ぶわっ









そう言った瞬間。

アイツの目からこぼれだす大粒の涙。









「伊織…、ゴメン俺…」

記憶がないんだ。
お前だと思って関係を持っちゃったんだ…。









アイツの涙をぬぐって。

正直にそう伝えよう。






そう…思ってアイツの頬に手を伸ばしたのに。









「イヤだ!!!!」

「…えっ…!?」






パンと払いのけられた俺の右腕。








「他の人を抱いた手で私にさわらないで!!!」

「いお…、俺…。」

「言い訳なんて聞きたくない!!!!
こんなことしたしゅーちゃんを…許せるワケないじゃない!!!!!」









ボンっと俺の頭に何かを思いっきりぶつけると。








「だいっきらい!!!!
もう…顔も見たくない…!!!!!」









伊織は…

泣きながら俺のアパートを飛び出して行った。


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