君を想うと~triangle love~
「アイツも…悪いヤツじゃないんだけどな。」





ポリポリと頬をかきながら、困ったように笑う祐吾さん。





アイツ…っていうのは間違いなくしゅーちゃんのコトだろう。





「伊織ちゃん。」

「はい。」

「アイツを許してやってとは言わない。
アイツは人としてサイテーなことをしてる。それは弁解するつもりはない。」






いつになく真面目な顔で。
祐吾さんは私に語りかける。








「俺も男だからな。
婚約者がいようが彼女がいようがいい女が目の前にいれば、欲しいし手に入れたい気持ちはわかる。」



「……。」



「しかも…。
忘れられない女ならなおさらだ。」






えっ……??







祐吾さんの言葉に驚いてフッと顔をあげると、祐吾さんはフッと笑って私の前にあるキスチョコを口にした。







「俺…。大学ん時は水泳部だったからな。
1年の頃はアイツん家に行くと、伊織ちゃんの写真がコルクボードにいっぱい貼ってあった。」








ズキン……








大学1年のしゅーちゃんの家…って聞くとあの忌まわしい過去を思い出す。




ドキドキしながら向かったしゅーちゃんの家。

理央にアリバイ頼んでまで向かったしゅーちゃんの家にいたのは…。

明らかに情事が終わった後の女の子。








部屋に散らかる衣服とティッシュの山。










ショックだった。









大学時代…って聞くとあの時を思い出して今でも胸が苦しくなる。
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