君を想うと~triangle love~
あの時私からしゅーちゃんを奪ったあの人。

今度はあの人からしゅーちゃんを奪えだなんて。





なんて神様はイジワルなんだろう。









「秀人を擁護するワケじゃないけど…。アイツと水島は大学時代は何にもなかった。
むしろ…お互い避けてる感じだったよ。」






ボーゼンとする私を見ながら。
祐吾さんは心配そうに呟く。






「水島と秀人が再会したのはつい1年前だよ。
ウチで秀人が飲んでたらたまたま水島が来て…、そういう関係になって今に至る。」






1年も前から…??



納得いかない。

他の人ならまだいいよ。
知らない人ならどんなに楽かわからない。



だけど。
あの人だけは許せない。


理不尽なのはわかってるけど…
あの人を選んだしゅーちゃんに怒りを覚える。







「伊織ちゃんの気持ちはわかるよ。今すぐに納得いかない気持ちもわかる。
だけど……。秀人の気持ちもわかってやって欲しいんだ。」






私の怒りを察したのか。

祐吾さんはグリグリと灰皿でタバコの火を消しながら






「アイツも伊織ちゃんのこと忘れたくて必死だったんだ。
過去に捕らわれて先に進めない秀人を見るのが親友としてはツラかったんだ。」




と、祐吾さんは私の瞳を見る。








「アイツは悪くない。
アイツをけしかけたのは俺だから…、恨むなら俺を恨んで??」


「へっ…??」







どういうこと??






意味深な祐吾さんの言葉を聞き返そうと体を乗り出したとき。








「ごめん、伊織!!」







息を切らせて。

愛しいあの人がお店の中にやってきた。
< 287 / 468 >

この作品をシェア

pagetop