君を想うと~triangle love~
「アイツが捨てようとしているものの重みを君が理解してるなら…。
別れてやるべきだと思うよ。」





そう言って。

はぁ…、と今まで以上に大きなため息をつくと




「もしアイツが水島と別れることになれば確実に示談なんかじゃ収まらない。
裁判に持ち込まれると思う。」





……。





祐吾さんはカウンターに手を置いて遠くを見つめた。






「妊娠させといて、結婚の約束までして捨てるんだ。
水島の両親からすりゃ、たまったモンじゃない。多分…裁判沙汰だろ。」





そうだ…。
こんなこと、水島さんのご両親が許すハズなんてない…。

祐吾さんの言う通り、しゅーちゃんは私を選べばきっと窮地に立たされる。






「それが身内で終わればいいけど、こんなゴシップが会社に広まれば秀人か伊織ちゃんかどちらかは確実にトバされるんじゃない?」



「……。」



「噂の矢面で平然と仕事が出来るほどアイツも伊織ちゃんも強くない。
今はよくても…、この選択を苦しむ時が必ずくる。」








私は祐吾さんの言葉を他人事のように。

遠くで誰かが言っているような…、不思議な感覚で聞いていた。








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