君を想うと~triangle love~
祐吾さんの言う通り、私としゅーちゃんはそんなに強いタイプの人間じゃない。


少しのことで動揺して、少しのことで不安になって。

変わらない日常を愛するごくごく普通の人間。





好きだという気持ちはお互いあるけれど、それだけで全てを乗り越えられるのか…と言われると…。



正直、自信がない。







何も言えずにディタソーダのグラスを両手で握りしめていると






「俺は別に3人がどういう選択をしても正直どうでもいいんだ。
どうせ他人事だしね。」





と呆れたように祐吾さんは笑う。








「ただ、みんなが幸せになれない選択をして欲しくはない…とは思う。」



「…祐吾さん……。」



「一応あんなのでもダチだからな。アイツが苦しむ顔は見たくねぇワケよ。」









あぁ。

この人は本当にしゅーちゃんのことが好きなんだ。

きっと本当に心配してる。

私を選んだせいでみんなが不幸になるんじゃないかって心配してる。






「人には相手の幸せを願う幸せもあると思う。」


「…はい。」






うん…。

祐吾さん。

わかるよ。

言いたいこと…ちゃんとわかってるよ?







「祐吾さんの言いたいことはわかります。
今…、私がしゅーちゃんを選べばみんなが不幸になる。

だから…。だから……」






わかってる。

わかってるのに言えないよ。

次の一言が苦しくて言い出せない。







しゅーちゃんが好きだから。

すごくすごく好きだから。



最後の糸を離せない。
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