君を想うと~triangle love~
拒むイブの体を押さえつけて、角度を変えて何度も何度もキスをする。



最初は触れるだけだったけど、次第にアイツの口内にも侵食していく。






「…んっ…ふっ…」







あ~、ヤバい。

イブのこういう声聞くだけで理性がブッ飛ぶ。








キスなんて挨拶で。

愛撫でも何でもなくて、気持ちよくもなんともないと思ってたけど…。






キモチいい。






このまま溶けてしまいそうにキモチいい。










イブ。

好きだよ。

俺を不安にさせるのもこんなキモチにさせるのもきっとお前だけだから。









最後に軽くついばむようなキスをして。

フッと体を離すと。






「…。
手、離して。」





と、イブが言う。

俺は無言で手を離した。






あ~、終わった。

幼なじみの関係を俺は壊した。

もう…、イブは俺に笑いかけてもくれないだろう。






そう…思ったのに。








イブは起き上がるとギュッと俺を抱きしめた。







「手を離してくれなきゃ、慎ちゃんを抱きしめられないでしょ?」





そう言って天使のように笑うイブ。








え…?
何、コレ。









状況が把握できずにポカンとしながら宙を見ていると。






俺の顔を両手で包んで。
俺の目を見つめながら




「一緒。
私も…慎ちゃんが好きだよ。」





と笑って。




天使は俺にキスをした。






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