君を想うと～triangle love～

『慎。今からベイサイドホテルに来てくれないか？』




ある日の冬の夜。

イブとのデートの帰りにかかってきた１本の電話。



電話の主は親父だった。





「ゴメン、今イブと外にいるから今すぐは無理。
１回家に帰ってからでもいい？」





その日の空はどんより思い灰色の空とドス黒い雲が敷き詰められていて。


チラチラと白い粉雪が舞っていた、寒い冬の夜だった。





こんな寒い日に、イブを一人きりで返したくない。



親父はきっとウンと言ってくれる。
そう…思ったのに。




『…頼む、慎。
お前の将来に関わることなんだ。』


「は？俺の将来？？」


『ああ…。
詳しいことは電話じゃ言えないが…。お前のコトを認知してやることが出来るかもしれない。』


「は？？？」




認知？？

今さら？？

何言ってんだよ、親父のヤツ。





『頼む。だから今すぐベイサイドホテルへ来てくれないか？』




俺の想いとは裏腹に。
親父はなかなか電話を切ろうとはしてくれない。






「いいよ、別に。
今さらだしさ。そっちの家も俺なんかを認知しちゃったら大変でしょ？」






そう俺が言った瞬間。

イブはハッとしたような目で俺を見つめた。