君を想うと~triangle love~
一緒に沖縄に行けば、伊織も気持ちが変わるはずだ。


ここまで来たってコトは、脈がまったくないワケじゃない。


多分…まだ俺に勝機はある!!!!







そう信じて。

グイグイとアイツを引っ張ると。






「しゅーちゃん!!
私…沖縄には行かない!!
…行けないの!!!」






そう叫んで。

伊織はまた大粒の涙をこぼした。








…なんで?

なんで泣くわけ?

泣きたいのはこっちだよ、伊織!!






「……どうして。」

「……えっ……。」





いつも伊織が泣くと。

俺が助けてやらなきゃって思ってた。

アイツの涙を見ると俺がなんとかしてやりたい

守ってやりたいって、すげぇ思ってた。





なのに…

今、すげぇムカついてる。


伊織の涙に…すげぇムカついてる。







「じゃあ…、なんでここに来たんだよ!!!!!!!!」








俺は胸の中のイライラを全て吐き出すように。



アイツに向かって、そんなひどい言葉を投げつけてしまった。




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