君を想うと~triangle love~
「伊織。言っただろ?俺はお前のこと諦められないって。
諦める努力と忘れる努力は……、あの時に散々したよ。
俺はもう二度とお前を諦めたくない。」
グッと。
グッと伊織のことを強い目で見ていないと、気持ちが怯んで。
弱い自分に負けそうだった。
俺はずっと後悔してた。
あの別れの日に、どうしてもっと頑張れなかったんだろうって。
カッコ悪くても情けなくてもいい。
なんであの時もっと頑張れなかったんだろう…って、ずっと後悔してた。
だから…今度は諦めたくない。
伊織。
俺はお前を諦めたくない。
一瞬、気をゆるめると谷底に落ちてしまいそうで。
一瞬、気をゆるめると弱い自分に負けてしまいそうになりながら。
「俺は伊織が好きだよ。
諦めたくなんてない。」
きっぱりと
あいつに告げた。