君を想うと~triangle love~
わかんねぇ。
まったく意味がわかんねぇ。
「好きなら…なんで俺から離れようとすんの?」
なんだよ、好きだけど違うって。
好きなら俺のトコに来ればいいだろ?
好きなのに離れたい理由ってなんなんだよ!!!!!!
伊織に繋がれた右手をさらに強く握り返して。
胸の奥から沸き上がる黒い感情を必死にこらえていると。
「しゅーちゃん。
私、しゅーちゃんの笑顔が好きだった。」
静かに伊織は話し始める。
「優しくて、大きいこの手が好きだった。
いつもみんなの中心で、お日さまみたいに笑ってるしゅーちゃんが大好きだった。
いつも思ってたよ。
しゅーちゃんの隣にふさわしい女の子でいたい…って。」
伊織の声は…
今までに聞いたことがないくらい冷静だった。