BLACK MOON
「.....!」
おばあちゃん!?....なんでこんな木がお墓???


母はボクの気持ちを悟ったように語りはじめた。





『ここにね、もともと住んでたんだよ。
カルアが生まれるもっと前。
素敵な場所だった。

今はなんにもないけど、昔は国王が来たり祭ができるくらい有名だったんだよ。

ほんとにたくさんの人がいたの。


でも....

ほとんどの人がこのお墓で眠ってるわ。』


「???なんで?どういう意味??」



『カルアがもう少し大きくなってから話したかったんだけど、あなたにはおじいちゃんの遺伝子があるみたいだから大丈夫ね。
おじいちゃんは生物変換できる人だったのよ』


「えぇっ!?」驚きのあまり声が出てしまう。


『竜を作らされて亡くなったのは、カルアのおじいさんなの。

竜を作りすぎて
最後は変換する材料がなくなり、おじいさんの体を使わせて竜に変換したの。

そして
最後の竜がおじいさん。

たくさんの竜が町の人を傷つけたわ。
最後の竜だけは、それを一生懸命防ごうとしていた。
竜たちは、もう一人の魔法使いに元通り変換されて消えていく中で、おじいさんだけは変換できなかったの。

自分を変換したら、元に戻れなくなるみたい。

そして暴れ回る竜と戦っている間に、おばあちゃんを傷つけてしまった...


泣き叫び、倒れ込んだ竜に魔法使いはある変換をしたの。



木になるように....』
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