BLACK MOON
「なんで木なんだよ」



『木は長生きするでしょう?
いろんなものを見ているのよ

大切なものを守りながら。

食べ物は貰うだけでなく、綺麗な空気で返してくれる。律儀よね。

そして思い出でもあり、始まりでもある。
生み出す力、長く残す力があるの。』





「わかりやすく言ってよ!」






『さっきも言ったように、木は酸素と二酸化炭素を生み出すわ。長く残すとは木の内側に大事な新しいものを抱えて古いものと一緒に成長する』



「だからっ!?」



『そんな焦らないで(笑)

被害にあった人々の全てを見て、また同じ苦しみが生まれないようあったことすべて木に閉じ込めておくの。

木を見て思い出して、もうしないってみんなに思わせることが大事なのよね。

亡くなった方々を優しく見守りながら
あった出来事を残していてほしいという意味がこめられているの』


「へー」


『なんかどうでもよさそうね(笑)』



「子供なボクには最後の方しかわかんなかったよ」苦笑いをする。


母はフフッと笑った。



久しぶりに母と二人で遠いところに来たから新鮮だった。

なんか、ボク悪い魔法使いになるとこだった。
嫌いだからって、なにしてもいいなんてことはないんだよね。


自分が作り出してしまった竜と必死で戦うおじいちゃん...たくさんの人が亡くなって辛かっただろうな。


最後は悪いやつらからの命令を無視して
戦ったんだからすごいな
負のスパイラルから抜け出したんだ!
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