BLACK MOON
とりあえず、僕はずっと座っていることに疲れたので辺りを見回した。




窓はない。
当たり前か...
場所ばれたら大変だもんな。


ここが地上なのかどうかもわからない。
天井は水で出来ていて、鳥が泳いでる。


初めて見る鳥だ...
茶色の小さい鳥。音が聞こえる。


チュンチュン...




『待たせたね。』
急に声をかけられ、びっくりした僕を見てマグさんは笑った。


『さっき言ったから、みんなが捜してくれてる。このまま家に帰してあげたいが、親が居なくちゃ困るだろうし、帰すわけにもいかないんだ。』





!?





「え!!帰れないんですか!?」
僕はオロオロしながら聞く。




『うーん。帰れないと言うより、心だけ帰ると言う方が正しいかな。』とマグさんは優しくほほ笑む




「心だけ??」
意味がわからない僕は更にオロオロする。





マグさんが急に深刻な顔になる。


『そう。カルア君にはしばらくここに居てもらわなくちゃならないんだ』


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