神よ、我らとともに
「ここが焼け野原になるだけはある…
樹木の燃えた臭いに混じって
確かに感じる火薬の臭い―――
とても尋常ではない量の大砲
銃が登用されたのだと推測出来る
―――しかし今の我が国には…
銃や大砲、いや火薬すら大量使用出来る程潤ってはいない
それに、もし仮に銃器の鋳造が盛んになったとしても
考えが古くお堅い議員、政府から
軍部に許可が下りることはそうないだろう
事が起きてからでなければ何も出来ないとは
全くもって呆れるしか他はない
こうして思案に沈みながら歩いていると
かつん、と自分の爪先で
何かを蹴飛ばした
それに気付くとクロードは我に帰る
小石かと思っていたようだが
よく見てみるとそれは単なる石ころではなく
薬夾であった
「銃の連射は実現化していないと聞く、が」