神よ、我らとともに
その場に崩れるようにしゃがんで
少し胃液を地面に吐く
手袋をした手のひらで口と鼻を押さえていたが
とうとう堪えきれなくなったのだ
「っは……すげぇ血と……人のっゴホッ、っ…はぁ…はぁ……」
クロードは息を整えているうちに臭いに慣れてきたらしく
強く口元を拭うと立ち上がった
口内に広がる胃液の酸が気になったが
そのまま目の前の崖の淵に近付いていく
一歩、一歩と歩を進めるにつれて
当然悪臭は強くなっていった
斜面が見えるところまで歩き
改めて眼下の情景を見下ろすと
クロードは決心したようにコクリと頷く
なだらかな場所から滑るように下へ
先程までノエイン率いる第伍軍隊とアイスバーグとの戦が行われていたキール平野へと
降りていった