先生
二歳位の男の子が砂に足を取られながらヨチヨチ歩いて行く。


危ない!!



男の子がポテンとこけた。


私は、その男の子に向かって走っていき、男の子を抱き起こした。


「よしっ。泣かなかったね、偉いね。」

膝に付いた砂を払ってやった。


先生もすぐに来て
「偉かったな坊主。
さすが男だな。」


男の子に優しく笑いかけた。


その笑顔にキュンとした。


「すみません。お世話になりました。」

男の子のお母さんらしき人が私達に声をかけてきた。



先生がゆっくり振り返った。


「あ、いえ………」


女性を見た瞬間、先生の動きが止まった。



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